私の名前は健。
今はサラリーマンをしている。
何気ない朝、
いつものように歩いて通勤していると
遠くの方に見覚えのある人影が一つ立っていた。
思いだしたくない過去が蘇る。
仕返しをされるかと思って避けようとするが、
避けられなかった。
一匹の犬を連れていた。
!!!!!!!!!
私はおどろいた。
連れていた犬は毛が抜け落ち
虐待されたような傷がたくさんあった。
彼はニヤリと笑い
「行くぞ、けん」
と犬に言って去っていった。
ああ、あんなことしなければ良かった。
【解説】
語り手は犬を連れていた彼を
昔いじめていた。
それに対して、
いじめられた相手は犬に『けん』という名前をつけ、
復讐として犬を虐待していた。
語り手がいじめていたばっかりに
罪のない犬が虐待をうけてしまっているのは悲しい。
ただ、いじめというのはかなりつらいものだから、
それをしてしまった彼を責めることもできないだろう。