ある男と女が車の事故を起こした。
双方の車は完全に大破していたものの、二人は無傷だった。
なんとか車から這い出ると、女は
「男の人だったのね、なんてステキ!
ねえ車を見て。もう車はダメみたいだけど、
あたしたちは幸運にもケガはないみたい。
きっと神様があたしたちをめぐり合わせてくれたのよ。
今後も会って、二人で残りの人生を楽しみなさいって!
そういうことなのよ!」
男は喜び、「そうだとも!まったくそのとおりだ!」
女は自分の車の助手席付近から何かを取り出しながら、男にこう言った。
「ねえ、もうひとつ奇跡が起きてるの。
あたしの車はもうめちゃくちゃなんだけど、このワインは平気みたい。
これって、アレじゃない?神様がお祝いをしなさいってことなのよ!」
女はワインを男に手渡すと、男はうなずき、キャップを開けて半分飲み干し、女に返した。
女はワインを受け取るとすぐにキャップを閉めて男に再度渡した。
男「どうした?きみはやらないのか?」
女「ああ...。お巡りさんもうすぐくるわよ。」
【解説】
女は男に酒を飲ませ、飲酒運転によっての事故にしようとした。
飲酒運転により交通事故を起こした場合は、
当然、損害賠償の割合が通常よりも高くなる。
それにしても、この女性の機転が利きすぎて正直怖いところである。
ワインはたまたまあったものではなく、
用意されていたものだとしたら・・・。
この事故は狙って引き起こされた可能性もなきにしもあらず。
人は『運命』や『奇跡』という言葉になんと弱いことか・・・。