私は現在28歳。
皆が欲しがる美貌を全て兼ね備えた
誰もが羨む完璧な女だった。
私が高校の2年の時、彼氏ができた。
たかってくる男は沢山居た。
けど、こいつは帰国子女で紳士的。
告白の内容は
[何があっても君を守る]
正直気持ち悪かった。
しかし、条件がいいので
私はこの男なら付き合ってもいいと思った。
付き合ってしばらくすると、
自慢ぐせがあることが分かった。
色々と海外の友人紹介された。
初めのうちはそっけなく返事をしていたが、
友人の内容を聞いていくうちに、
今の彼氏よりいい条件の友人がいた。
私は勿論そっちに乗り移ろうとした。
しかし、まわりの評価を落としたくない私は迷った。
私がいい条件の男を見つけて1週間がたった。
バイクでデートをしていた時、
いきなりブレーキが効かなくなった。
私と彼はそのままガードレールに追突した。
そして、彼は崖に捕まった。
私は彼の足を掴んだ。
すると、彼はあろうことか私を蹴り始めた。
女だから力なんてない。
蹴られるがままになり、腕は離れ、私は落ちた。
目が覚めた。
怪我は痛くはない。
麻酔が効いているのだろう。
私は周りを見渡した。
目の前にあの憎き彼氏が見えた。
笑っていた。
憎い
憎い
憎い
憎い
憎い
憎いなら、殺せばいい。
声が何処からか聞こえた。
そうだ。
殺せばいいんだ。
殺せば、私は報われる。
私は現在28歳。
皆が欲しがる美貌を全て兼ね備えた
誰もが羨む完璧な女。
未だに彼を殺せていない。
いや、殺せない。
憎い。
ただその言葉が募っている。
【解説】
バイクでブレーキが効かなくなったのは
彼氏のせい。
語り手は他の男のところに行こうとしたため、
彼女を逃さないためにわざと死なない程度のところで事故を起こし、
彼女を落とした。
彼女は病院に運ばれたが、
植物状態になってしまった。
彼氏はそれを見て
思い通りになったと笑っている。
彼女は植物状態になってしまい、動けないため
彼氏を殺すことができない。
植物状態にしてまで繋ぎ止めようとする彼氏が恐ろしい…。
