携帯電話と向かい合ったまま、
しばらく指しか動かしていない女がいた。
さっきから、あの男がこっちをチラチラ見てるのよね…
あたしのこと興味あるのかしら?
顔もそこそこイケテるし、
ちょっとからかってあげよっと!
私「ちょっとあんた!
私の顔に何か付いてるの!?」
さて…
どう返してくるのかしら…?
男「い、いえ…
別に気になってるとかじゃないんです…」
フフ…
分かりやすくてかわいいわ。
もう少し遊んであげましょう。
私「じゃあどうしてさっきから、
私の顔をチラチラ見てるのよ?」
男「あ、それは…
なんか癖で、視界に動くものが入ると見てしまうんです」
私「あらそう…」
女は、勝手に男が自分に興味があるのではないかと勘違いした自分を恥じた…
【解説】
最初にあるように
語り手である女性は指しか動かしていなかった。
にも関わらず、男は
『視界に動くものが入ると見てしまうんです』
と言いながら顔を見ていた。
つまり、
女性の顔に何か動くものがあったということ。
虫が群がっていたのか、
それとも幽霊がまとわりついていたのか…
何かはわからないが、
良いものではないだろう…