【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】とある商社のサラリーマン

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俺は、とある商社のサラリーマン。

 

いくつか失敗こそあったが、上司や同僚に恵まれ何とかここまで来れた。

 

 

というのも、近々俺は結婚するのだ。

 

相手は上司の娘。

 

少しわがままなところもあるが、綺麗で動物好き、マイペースだが母性にあふれ、

 

何より俺に惚れてくれている。

 

 

思い返せば長かった。

 

 

 

家庭に恵まれなかった俺は、一時期ワルぶったこともあった。

 

父親が借金を残して蒸発、残された母はほどなく病死。

 

親戚に厄介になったこともあれば、家出してホームレス生活を送ったこともある。

 

今でも時々夢に見る、その日の食事にも事欠く暮らし。

 

 

よくもまあ結婚までこぎつけたものだ。

 

 

結婚式も間近に迫り、俺はまたあの夢を見た。

 

 

何度見ても憂鬱なこの夢。

 

常に腹の虫が鳴り続ける。

 

寝床にしているダンボールをたたんで、もそもそと起き上がる。

 

体中がかゆかったのも少し前まで、今はその感覚も麻痺している。

 

気だるいが、食い物を探しにゴミ箱を見回らなければ。

 

 

ああ、はやく現実が見たい。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある商社のサラリーマンというのが、

現実逃避による、夢や妄想。

 

『ああ、はやく現実が見たい。』

 

普通なら「現実に戻りたい」と言うはずである。

 

『現実が見たい』というのは、

『夢が見たい』と一緒。

 

現実だと「思いたい」ものにすがっている。