私はいつもと変わらない一日を終え、寝床につきました。
朝起きると、周りには白い防護服らしきものを着た人達が数人いて、
私を無理やり部屋から連れ出そうとしたのです。
何がなんだか分からないまま、気づくと目の前には、何かの施設らし建物。
その中の一室に、私を閉じ込めました。
私「あなた達は一体誰?何の為にこんな事をするの?」
防護服の人「今、世界で未知の殺人ウィルスが蔓延している」
私「もしかして、そのウィルスに私が感染したの?」
防護服の人「・・・人類の為に隔離させてもらいます」
そう言うと、どこかへ行ってしまった。
私はこのまま死ぬのだろうか・・・
不安を抱きながら、私はその場にふさぎこんだ。
何も変化がないまま、時間だけが過ぎていったある日。
ふと、ドア越しに部屋の外の様子を伺ってみると、防護服を着た人達が何人も倒れている。
まったく動く気配すらない。
防護服を着ていても、ウィルスには対抗できなかったらしい。
あぁそんな・・・このまま人類は滅亡してしまうの?
死ぬのは嫌だ!
【解説】
語り手自体はウイルスに感染していない。
むしろ語り手はウィルスに対して抗体を持っていて、
防護服の人たちは語り手からワクチンを作ろうと語り手を隔離した。
しかし、防護服の人は間に合わずウイルスに感染したまま死んでしまった。
最初からウイルスに感染していたのか、
防護服では防ぎきれなかったのかはわからないが…。
『何も変化がないまま、時間だけが過ぎていったある日。
ふと、ドア越しに部屋の外の様子を伺ってみると、防護服を着た人達が何人も倒れている。』
防護服を着た人達、施設にいる人達自体が全滅してしまったため、
語り手に残されているのは『死の恐怖』であろう。
隔離されているため自ら外に出ることができない。
つまり食事も取ることができず、餓死してしまう。