【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】流れ着いた島

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『こ、ここは?』

 

気が付いたら男は浜に流れ着いていた。

 

時化の時に無理に漁に出てしまい
船が転覆してしまったのだ。

 

痛い。全身傷だらけになっていた。

 

足には深い傷を負っていた。

 

生きてるだけでも奇跡だ。

 

とにかく今は食べ物や水を探さなければ。

 

男は島を探索し始めた。

 

するとなんと小さな村があったのだ。

 

助かった。

 

無人島ではなかった。

 

男は安堵した。

 

しかしこの時代とは思えない古い村だ。

 

まるでこの島だけ時代が止まっているような。

 

不思議に思いつつ、
男は助けを求めて村の家を訪ねた。

 

すると家の住人が

 

『よ、よ、よそ者だぁ~!!
殺される前に殺せ!!』

 

え、え、なんで!?

 

男はわけもわからず身の危険を感じ、
すぐにその場から逃げ去った。

 

村の人達は追ってくることはなかった。

 

『一体なんだってんだ。
いきなり殺すわけないだろ。
どうなってるんだ』

 

男はあの村には近づかないほうがいいと感じ、
自分でどうにかするしかないと思った。

 

とにかく脱出する方法を考えよう。

 

海に出るには筏しかない。

 

男は一か月かけて筏を完成させた。

 

そして天気がいい日を見計らい、
脱出を試みた。

 

しかしどういうわけか
潮の流れが島に向かって流れていて
漕いでも漕いでも引き戻されるのだった。

 

それから何度も脱出を試みたが結果は同じだった。

 

島に流れ着いて1年も経っていた。

 

絶望していたある日、
いっそのこと村人に殺されようと思い
村1年ぶりに村を訪ねた。

 

するとなんと村人は全滅していた。

 

人骨がちらばっていた。

 

どうなってるんだ。

 

男はわけがわからなかった。

 

そして脱出できないまま
さらに1年がたった。

 

深い足の傷がやっと完全に塞がっていた。

 

ふと疑問に思うことが浮かんだ。

 

そういえばこんなに深い傷なのに
一度も膿むことは無かったな。

 

その時、男は悟った。

 

それから脱出できないままさらに長い年月がたったある日、
島に漂流した男が流れ着いた。

 

まだ生きている。

 

その様子を見ていた男は、

 

『一刻もはやく殺さないと…殺される前に…』

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この島は細菌等が全く住めない島。

 

語り手が村で殺されそうになったのは、

村人たちは免疫力が全くないため、

よそ者の語り手が運んできた細菌の感染症で

死ぬことを恐れていたから。

 

恐れたことは現実となり、

村人たちは全滅してしまった。

 

語り手も化膿せずに深い傷が治ったことでそのことに気づき、

村人たちがなぜ自分を殺そうとしたのかを悟った。

 

そして、自分も免疫力がなくなるのではないかと考えた。

 

そのため、最後は村人たちと同じように

よそ者の運んできた細菌の感染症で死ぬ前に殺さないとと思い、

最後のセリフが出てきた。

 

 

細菌が全くない島に住んでみたい気がするけれども、

細菌への免疫力が皆無というのは恐ろしくもある…。