俺は幽霊が好きな変わり者だ。
しかし一度も幽霊を見たことがない。
毎夜いろんな所で探してるのに見つからない。
ある朝、肝試し中に
幽霊を見たと言う二人の少年がいたので聞いてみた。
(俺)「あの~肝試し中に幽霊を見たと言うのは本当ですか?」
(少年A)「それにしてもあの日の夜は絶対忘れられないよな」
(少年B)「うん、まさか○○森に本当に出るなんてな」
(少年A)「でも誰も信じてくれないんだよな~」
(俺)「わかった、教えてくれてありがとう」
俺は二人にお礼を言い○○森へ向かった。
その森には行った事があるから案内は不要だ。
数日後、○○森に幽霊が目撃されたらしいが、
毎夜○○森を探索しているのに俺はまだ会えていない。
【解説】
探していた幽霊の正体は
語り手自身だった。
そして、語り手と少年たちとの会話は
噛み合っているようで噛み合っていない。
少年Aが
『それにしても…』
から言葉を始めていることから
語り手に気づいていない。
きっと朝だから
語り手のことが見えなかったのだろう。
こうやって幽霊になったことに気づかない場合、
ご飯とかどうしているんかね?
食べていないことに気づかないものなのだろうか?
それとも、
どこかで食べているのだろうか?
だとしたら、
物が消える現象が起こるわけだが…
そこが少し気になるところ。