ある放課後、
通学路を歩いていると僕は肩をトントンと叩かれた。
「ん?」
後ろを振り返ると、
5歳くらいの小さな女の子が泣いていた。
「どうしたの?」
と僕は女の子に声をかけた。
すると、女の子は
「木に風船が引っ掛かってしまったの」
と泣きながら言う。
上を見ると
確かにピンク色の風船が木の枝に引っ掛かっている。
僕は、女の子に
「大丈夫、僕に任せて」
と言い、
風船が引っ掛かった木に登り始めた。
引っ掛かった所がそう高い場所ではなかったのと、
身長が180cmだったのもあり
意外と簡単に取ることができた。
僕は、まだ泣いている女の子にピンクの風船を渡すと
泣いていた女の子は笑顔になった。
女の子は
「ありがとう、優しいお兄ちゃん」
と言うと去っていった。
女の子を見送ると
僕は笑顔で帰宅した。
【解説】
5歳の女の子が
どうやって身長180cmの語り手の肩を
トントンと叩いたのだろうか?
女の子の手が伸びた?
だとしたら
自分で風船が取れるだろうし、
幽霊が女の子を知らせるために
叩いたのだろうか?
女の子が心配で
語り手の肩を叩いたのであれば
それはほっこりする話である。