唐突だが、
母さんが何者かに襲われ死亡した。
犯人はまだ見つかっていない。
憎い。犯人が憎い。
見つけ次第、
この手で復讐してやる。
母さんが味わった苦痛、
そのまま俺が味わわせてやる。
たとえ、人殺しと呼ばれようと…。
俺が落ち込んでいると、
唯一無二の、子供の頃からとても仲の良い親友がやってきた。
親友『…まぁ、あれだ、元気だせよ、な』
俺『悪い。ちょっと今ムリだわ』
親友は少し間を置くと、
親友『なぁ、ピザって10回言ってみて』
俺『はぁ?何だよそれ』
親友『いいからいいから』
いつも俺が落ち込んでいるとき、
決まってこいつが俺を元気づけてくれる。
俺『………。分かったよ。
ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ』
親友『じゃあ、ここは?』
俺『ひじ』
親友『ブー。日本でしたーーー(笑)』
俺『…な、今、お前、ここはって…』
親友『指で、ひじ指してたか?』
俺『…いや』
親友『はははは。
じゃ、もう一個。
何て言われても【許す】って言って』
俺『はぁ?何だよそれ』
親友『いいからいいから(笑)
早速やろう』
俺『…分かったよ』
親友『お前のゲーム、
借りてすぐに売り飛ばした』
俺『許す』
親友『お前の財布盗んだの、実はオレ』
俺『ゆ、許す』
親友『お前のカノジョ奪ったの、オレ』
俺『……ゆ、…許す』
親友『お前の母ちゃん奪ったのオレ。はははは』
母さんは俺を許す。
【解説】
語り手が親友を殺した。
最後の
『母さんは俺を許す』は
勝手に許してくれると思っただけ。
とりあえず、
親友とのゲームでちゃんと『許す』と言っている。
ってか、親友は
本当にこんなことやっていたのか…?
本当にやっていたら恐ろしいし、
語り手を落ち着かせるための嘘だったとしたら、
語り手も親友も報われない…