ある年、奇病が発生した。
進行していくとすごい速度で体が小さくなり、
一年後には死んでしまう。
そんな恐ろしい病気だが
感染力は極めて低く、
一年以上経てば完治する。
空気中にもウイルスは存在するが、
血液感染以外はしない。
この病気により、人類の一割が死滅した。
対策は無いものかと、科学者が研究を続けた。
努力の甲斐もあり、遂に特効薬が完成した。
生存した全人類にその特効薬を打ち込むと、
数ヶ月で元の姿に戻った。
しかしまだ完治したかどうかは不明なため、
一ヶ月に一度はその薬を打った。
数年後、人類は絶滅した。
【解説】
特効薬は「老化促進の薬」だった。
小さくなって死んだ
=若返って最終的には胎児になってしまい死亡。
それなら、老化する薬を作ればいい、ということで、
「老化促進の薬」を作った。
それを、病気が治ったにも関わらず打ち続けたため、
老衰で全人類が死んでしまった。