情報化社会が加速する現代に、
突如として発生した謎の奇病が、
一ヶ月もしない内に全世界に蔓延した。
原因は解明されていないが、その病気に感染すると、
誰かに噂されると必ずクシャミをしてしまう、という物だ。
見た目には発症者かどうかも、
感染経路も未だ不明なために、
知らぬ間に感染してしまった人が
後を絶たなかった。
だが各種メディアは、
その奇病を患ってもたいした実害は無いだろうと判断し、
平時と同様に報道やバラエティ等を続けた。
一ヶ月後。
テレビ、ラジオ、新聞、週刊誌などは
政府から放送・発刊禁止になり、
ネット上でも匿名以外でのサイト運営や
書き込みをする者は居なくなった。
【解説】
『誰かに噂されると必ずクシャミをしてしまう』
有名人や記者、有名なサイトの運営者などは
常日頃から噂話が出てくるため
呼吸困難に陥るほどクシャミをしてしまうだろう。
噂話によって死んでしまう人が絶えず、
死ぬまで行かなくても仕事や日常生活に支障をきたしてしまう。
そのため、自分を知られないように
匿名でしか情報が出回ることがなくなってしまった。
情報が遮断された世の中と言ってもいいだろう。
いくらでも情報をとることができる今の世の中から
情報が遮断された世の中になったら
どのように変わっていくのだろうか?
それが少し気になるところである。