【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】花

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ある夏の日、
私とあの人は一緒にかき氷を買いに、
商店街まで走っていた。

 

クーラーがまだ普及していなかった頃で、
夏の楽しみといったらかき氷だった。

 

「おじさん!!かき氷ふたつちょうだい!!」

 

「はいよ、いつものだね!!」

 

行きつけのかき氷屋さんは
なにも言わずとも私にイチゴ、
あの人に抹茶を出してくれた。

 

私たちはお金をはらい、
食べながらいつもの道を帰った。

 

家に付く寸前で、
あの人は急に走り出した。

 

何かと思って、私もついて走った。

 

すると、玄関の近くに、
家を出るときにはなかった綺麗な花が咲いていた。

 

「これ、つけてあげる!!」

 

あの人は私にそういって、
髪にさしてくれた。

 

「ありがとう!!」

 

私たちは家に入ると、
机にかき氷を置き、
お母さんに見せに行った。

 

すると、
笑顔になると思ったお母さんの顔は、
青ざめた。

 

「お母さん、どうしたの?」

 

「大丈夫?」

 

「うん、大丈夫、可愛いね♪」

 

そういって、
頭を撫でてくれた。

 

その次の日、
あの人は居なくなった。

 

急に、熱中症で倒れて、
病院に運ばれたけど、手遅れだった…

 


そんなこともあったなぁ、と思いながら私は、
学校から家に帰る道を歩いていた。

 

そして、家に着き、
ふと、玄関の近くに目をやると、
あの時と同じ花が、同じ場所に咲いていた。

 

その次の日、
私は原因不明の高熱を出し、
この世を去った。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語り手とあの人が見つけた花は

憂曇華(うどんげ)と呼ばれる花で、

その花が咲いた家の住人は

近いうちに誰かが亡くなると言われている。

 

お母さんが青ざめた理由は

憂曇華の花をどこかで見たことがあったから。

 

そして、何も知らない語り手とあの人は

何も知らないまま亡くなってしまった。