【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】進化

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平凡な家庭。

 

それを何度夢見たことか…

 

俺は1児の父、妻と
息子家族3人で暮らしている。

 

息子は間もなく小学生になる。

 

夕闇の中、会社から帰宅。

 

家の電気はついていない。

 

「お帰りなさい、あなた」

 

「ああただいま」

 

「先生が見えてるわよ」

 

「そうか」

 

「先生」

 

「あぁこんばんは」

 

「どうですか?」

 

「今は寝ていますよ」

 

息子の寝ているであろう場所を見る。

 

暗くて何も見えない…

 

だが電気をつける気にもならない。

 

先生はまた、来ます、とだけ残し帰った。

 

「はぁ~…いつまで続くのかしら」

 

「おい。その話は辞めよう。
…ワインを飲みながらテレビでも見ないか」

 

「そうね」

 

…ガシャン

 

「グラスを落としてしまったわ。
電気をつけなきゃ」

 

「お母さん…」

 

今の音で息子が起きたようだ。

 

「お母さん大丈夫?
はい、ほうきとちりとり」

 

「ありがとう。
でも電気をつけなきゃ見えないわ」

 

「じゃあ僕がやるよ。やっぱり不便だね」

 

「そうね。
あなたに比べたらそうかも知れない」

 


………

 


一家を包む沈黙。

 

「お母さん、お父さん。
なんでそんな悲しい顔をするの?」

 

「いやだ。悲しい顔なんてしてないわ」

 

「してるよ!」

 


 


「新しいグラスを出さなきゃ。
あなた、電気をつけて」

 

「あぁ」

 

パチッ

 

「やっぱり不便なんだね。
明かりがないと何もできないって」

 


もうこれ以上息子の顔は見たくない。

 

例え進化の過程であろうとも。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

息子は暗闇でも見えている。

 

それが『進化の過程』なのだが、

進化したことによって失われた身体の器官がある。

 

それが、「目」。

 

息子の顔には目がない。

 

だから、

『もうこれ以上息子の顔は見たくない』

と言っている。

 

途中で出てきた『先生』とは

「研究者」のこと。

 

 

進化するということは

周りの人とは異なるということだから、

なかなか受け入れられづらいものだろう…。

 

果たしてこの息子は

これからどうなっていくのだろうか?