ゴクゴク………プハァ
「ふぅ」
飲んでいたコーヒーを捨てる。
「まだまだ遠いな」
行き先を確認し、少し億劫になる。
俺はトラックの運転手をしている。
といってもなりたての素人だが。
大学受験に失敗し、
就職しようにも面接でアウト。
やっとのおもいで見つかった仕事がこれだ。
つまらない仕事だと思っていたが、
やってみると案外楽しい。
色々な場所へ行けるし、
色々な人と出会える。
(美人な人がいるとついテンションが上がってしまうが)
そんなわけで今はこの仕事が気に入っている。
「さて……そろそろ行くか」
俺はトラックに乗り、走らせた。
………そういえばこの間こんな話を聞いたっけ。
────回想────
ダチ(スケベ)「お前知ってるか、
100キロのスピードで風を掴むと
お●ぱいの感触がするらしいぜ!!」
俺「へー」
ダチ「嘘じゃねえって、こんどやってみろよ!!」
────回想終了────
………やってみようかな。
幸いにもここは長い直線が続くし、
まぁ少しくらいは見逃してくれるだろ。
ブィィィィィン!!
100キロを出し、窓を開け手を出す。
ほほぅ、これはなんとも言えない
幸福感に包まれますなぁ\(^o^)/
しかし風が強いな、スースーする。
俺はじっくり堪能しながらトラックを走らせる。
………あれ、何か意識が…遠くなっ……て
最後に見えたのは
赤く染まったドアだった。
【解説】
語り手は窓の外に手を出していたため、
外の何か(車?)にぶつかってしまい、
腕がもげてしまった。
実際にあったことのようなので、
危険なことはなさらないようにしてくださいませ…