私と家族は普段暗いとこにいるの。
たまに旅にでる親族もいるけど
戻ってきたのは見たことないな。
その旅ってのがほとんど夏なのよね。
私の性格?
そうね、熱しやすく冷めやすいかしら。
最近眠ってないから少し眠いわ…
…あれ?ここどこ?
これが風?
ジュッ
なんだろうあの光…
え?近づいてくる…ヤダ…
段々熱くなってない?
イヤ…止めてっ!
私の頭に灯りが灯された。
熱い…熱い…
また色のついた何かが近づいてくる…
次の瞬間
色とりどりの火花が私の体を焼いた。
あ゛ぁぁぁぁぁ!
私の体はどんどん小さくなって行く…
無邪気な人間の笑い声。
絶え間なく炊かれる閃光。
もうイヤ…
そしてこの拷問は私の火が消えるまで続いた。
【解説】
語り手はロウソク。
そして、語り手は
花火用のロウソクとして使われた。
ロウソクにつけられた火によって
ロウが溶けていくだけでなく、
花火の火花によっても焼かれている語り手。
さらにはそんな状況にも関わらず、
人間は無邪気に笑っている。
拷問と感じてしまうのも仕方ない…。