アパートの階段で携帯をいじっていた。
家まではもうすぐだ。
しばらくすると、
下からコツコツコツ…と足音がした。
音からしてどうやら女性の様だ…
(ん?こんな時間に…)
足音は段々近づいてくる…
コツ…コツコツ…コツコツ…コツ…
ふらついているのか足音が一定で無い。
明らかに異常だ。
(ヤバイすぐ下まで来てる!!)
俺はダッシュで階段を駆け上がり、
鍵を開け、家に入ってカギを締めた。
コツコツ…コツ…
家の前で足音が止む。
何分間か静寂が続いた。
ガチャ…ギギギ…
扉を開ける音がして奴が入ってきた。
俺はクローゼットの中に隠れた。
部屋中を歩き回る音がする…
(頼む、開けないでくれ…)
そんな願いも虚しく、
クローゼットを開けられた。
俺は見つかってしまった…
【解説】
語り手はストーカー。
近づいてくるのは語り手がストーカーしている女性で、
その女性に見つかってしまった。
語り手はこれから通報され、
捕まってしまうだろう。
女性はふらついているようなので、
体調不良なのかもしれない。
体調不良で早めに帰ってきたから、
語り手が戸惑っていると思われる。
体調不良のときに
ストーカーを発見する女性…
なんとも可愛そうである。
ショックでそのまま倒れなければいいが…