【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】プレゼント

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僕はあと何年ここにいればいいのだろう。

 

家族そして看護師さんは皆して

「もうすぐ出られるよ」

とか

「大丈夫だよ」

などと声をかけてくる。

 

最初はそれを信じてたが
僕だってバカじゃない。

 

この歳になれば
嘘だって事くらい分かる。

 


僕は何年もここでクリスマスや誕生日を過ごした。

 

でも、毎回もらうプレゼントは
僕がほしいものじゃない。

 

僕よりあとから来た人達は
誕生日でもクリスマスでも無いのにプレゼントをもらって
ここから消えていく。

 

そんなのもう見たくないし
何年も待ってる僕にとっては不愉快で仕方ない。

 


幾度目かのクリスマス。

 

サンタさんからのプレゼントをあけてみた。

 

やっぱり僕のほしいものじゃない。

 

サンタさんは
子供が欲しがってるものをくれるんじゃないの?

 

僕いい子にしてるのに…

 

会いに来てくれた母親に僕はそう呟いた。

 

母親は僕が言っている言葉の意味がわからなかったらしく
しばらく黙って母親が口にした言葉は

 

「本当に欲しいものは
可能な限り自分で手にいれるものなんだよ。
て、そんな事言われてもまだその歳じゃ無理か…
また明日会いに来るね」

 

それを言い終わると
すぐ母親は帰ってしまった。

 


一人になった僕は
暫く母親が言った言葉を
頭の中で何回もリピートさせた。

 

そしてある答えにたどりついた。

 

そっか分かったよ
ママ僕は欲しいものを自分で手にいれるよ。

 


翌朝
血を浴びて
右手に血のついたナイフ、
左手には大きなごみ袋を持って立っていた僕が発見された。

 

ここに居た僕以外の人達は
皆心臓を抜かれ血塗れの状態で発見された。

 

僕は満足そうに笑いながら

「欲しいものは手にいれた後は僕のと交換してもらうだけ」

と、呟いた。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語り手は心臓の病気を患っており、

欲しいものは「臓器提供」だった。

 

しかし、ドナーがなかなか見つからない。

 

そこで、母の言葉

『本当に欲しいものは
可能な限り自分で手にいれるものなんだよ』

という言葉によって

「ドナーがいないなら自分の手で作ればいい」

と決意。

 

そして、人を殺して心臓を抜き取った。

 

 

物事の判別がつくお年頃になっていたようだが、

小さい頃からずっと入院していたため、

善悪の判断がつかなかったのだろう。

 

そのため、

自分の目的のために

当たり前のように人の心臓を抜くことができた。

 

心臓を抜き取って満足に笑っていることから

この後の周りの反応に

語り手は驚くことだろう…