「ああ、あの姉妹の心を手に入れられれば僕は死んでもいいや」
『あの三姉妹!?馬鹿じゃ無いの!?』
この男オタクでフィギュアの達人として有名なのだが
女を見る目は無い!
こいつが夢中になっている三姉妹は性格がひどすぎる。
長女=
我侭で自己中心!
とにかく自分に人がなびかないと
「私を愛してくれない」と激しく泣き喚き反省をしない。
チョコパフェが大好きだが関係の無い私にまで
たかりに来たことがある。
次女=
残忍でえげつない性格。
気に入らない人物を駅のホームや学校の階段から突き飛ばした
(幸いどちらも被害者は怪我で済んだが・・・。)
三女=
無口で陰気で何を考えてるかわからない性格。
いつも長袖つきの服を着ているが
タトゥーを隠しているらしい・・・。
身体を売っていたらしく一度中絶している。
こんなクズのような最低な三人が
「可愛い」などと馬鹿な男達に絶賛されて
心の優しい私の親友のMみたいな子がいじめを受けるのだ!
無論いじめの中にはあの三姉妹がいるのだ!
不条理すぎる!!!!!
それでもこいつが私の周りでうるさく言うのは
私と長女が話しているのを見たからだそうだ
(たかられていただけなのに!)
「そんなに『心』がほしいならかなえてあげましょうか?」
「本当!?」
「ええ!でもちょっと道具を借りるわよ」
「違います、僕じゃ有りません!」
「でたらめを言うな!証拠もあるんだぞ!
何よりもお前の部屋になんで三人のがあるんだ!」
「だから僕じゃないんだよぉぉぉぉ!」
ちゃんと約束は守ったわよ、
あんな事言うあんたが悪いんだから。
でもこれでMはいじめられなくなったし
ウザイあいつもいなくなるし
何より大嫌いだったあの三姉妹に対して仕返しが出来てスカッとしたわ。
ザマミロ!
【解説】
『そんなに『心』がほしいならかなえてあげましょうか?』
『心』=心臓
つまり、語り手は三姉妹の心臓をえぐってオタク男にあげた。
その心臓がオタク男の家にあり、
オタク男が殺害したと思われている。
語り手が
『ちょっと道具を借りるわよ』
と言っていることからも
オタク男の所持品で殺人が行われたと考えられるため
証拠も十分にあるのだろう。
三人殺して、
しかも心臓をえぐって持ち帰っているような猟奇殺人なら
死刑は確実と言えるだろう。
『ああ、あの姉妹の心を手に入れられれば僕は死んでもいいや』
この言葉が現実のものとなってしまった。
これでMはいじめられなくなり、
ウザイオタク男も捕まっていなくなり、
三姉妹を殺して心臓を取り出すことで仕返しもできたため、
語り手としては全てが良い方向に進んだこととなる。
それにしても、
『何より大嫌いだったあの三姉妹に対して仕返しが出来てスカッとしたわ』
という言葉から
Mのため以上に語り手自身が殺したかったのだろう。
『三姉妹は性格がひどすぎる』
と語り手は言っているが、
心臓を取り出して殺し、
オタク男に罪をなすりつける語り手の方が
悪趣味な性格をしていると思うのだが…。
それに気が付かない語り手が恐ろしい。