吉岡悠仁は父、母の3人で暮らしている。
悠仁はペットに黒猫を飼っていた。
いつも彼は、
ペットの黒猫とベッドで一緒に寝ていた。
一緒に寝るといっても猫はオスなので
悠仁は異性として意識していなかった。
ある夜、
悠仁は夜おそくまで読者をしていた。
その本は有名な心理学の本で
『幽霊、心霊現象とペットの関係性』という題名だった。
その本によると、
黒猫の半径44㎝以内に2人の男女と
黒猫が一緒に寝ていると
その家に最大の不幸が起こるというものだった。
悠仁は、幽霊を信じていないので
全く気にせず黒猫とベッドに入った。
部屋を暗くしてまぶたを閉じると
本の内容が浮かぶ。
そのとき猫が違和感を感じているのだろうか。
いつもはすぐ静かに寝るのだが今日は鳴いている。
悠仁は気にせず眠りに落ちていった。
……
朝の朝刊には、
悠仁の家が放火にあい
吉岡一家4人全員の焼死体が発見されたと出ていた。
【解説】
『幽霊、心霊現象とペットの関係性』によると
『黒猫の半径44㎝以内に2人の男女と
黒猫が一緒に寝ていると
その家に最大の不幸が起こる』
ではなぜ語り手に悲劇が起こったのか?
それは
焼死体が4人出てきたことからわかる。
吉岡一家は
語り手、父、母の3人暮らしである。
しかし、出てきた焼死体は4人分。
実は語り手が知らないうちに
ベッドの下で息を潜めていた
女性のストーカーがいた。
そのため、半径44cm以内に
2人の男女と黒猫が一緒に寝ていることになってしまい、
放火にあって焼死体になってしまった。
猫は下に女がいることに気づいていたため、
いつもと違う動きをしていた。
吉岡一家は3人のはずなのに
なぜ4人と報道されたのかというと、
燃えて身元がわからないため、
家族と考え公表されたため。
『黒猫の半径44㎝以内に2人の男女と
黒猫が一緒に寝ていると
その家に最大の不幸が起こる』
これが実際に起こり得るとしたら
結構な数の被害が出てしまうんだろうなぁと
思ってしまった。