『○○にきびできてるよ?』
『え!』
私は携帯をインカメラにして
頬をみた。
『うーわ…』
『後で潰しちゃえ(笑)』
『痛いじゃん(笑)』
『あ、猫だ!』
私はカメラをアウトカメラにして
その猫を撮った。
『逃げちゃったね~』
『もう暗くなったし帰ろうか…』
私は帰りに立ち止まり
にきびを見るためカメラを起動した。
人影しか移らない。
『やっぱ暗いとうつんないか…』
私はカメラを閉じた。
次の日。
ここら辺で通り魔事件があったらしい。
語り手はアウトカメラにしていたことを忘れて、
インカメラだと思って自分を見ている。
そのため、人影は自分ではなく他人。
その他人が通り魔であり、
語り手はその通り魔にやられてしまった。
カメラを起動しなければ
相手の怒りを買わずに助かった…
なんてことはないのだろうか?
自分のことをこっそり撮っていると勘違いしての犯行だったら恐ろしい。
もしかしたら、自分も勘違いさせてしまっている可能性もあるから…。
(勘違いして犯行に及ぶ人はあまりいないだろうが、
不快な思いをさせてしまうことになるので。)