俺の息子は、時々、
(写真でも、画像でも)人の顔をじっと指さすという、
妙な癖があった。
指をさされた人物が必ず3日以内に死ぬ、
と言うことを知ったのは、つい最近のことだ。
今日も、テレビをつけようとしたとき、
息子は、じっと画面を指さしていた。
付いたテレビには、大物議員の姿が。
へえ、こいつも死ぬのか。
【解説】
「息子」が指をさした時には
テレビの電源はついていない。
電源のついてないテレビに映るのは
テレビをつけようとしていた語り手の姿である。
ということは、
死ぬのは大物議員ではなく語り手である。