僕と君はいつも一緒だったね。
どこへ行くにも、何をするにも、常にそばにいたね。
楽しい時も、悲しい時も、共有してきたね。
いつまでも変わらず、ずっと一緒……そう思ってた。
だけどあの日、君は僕を置いて向こう岸に行ってしまった。
それからずっと、離ればなれになってしまった。
怒ってるか、って?
怒るわけないよ。
なんたって、君と僕の仲なんだもの。
だけど必ず、君と再会してみせるよ。
たとえどんな手段を使ってでも。
たとえ何年待つことになろうとも。
生きてる限り、“その日”は必ず来るのだから。
再会できるその日が来るまで……
【解説】
語り手は死者で、
『君』はまだ生きている。
『君は僕を置いて向こう岸に行ってしまった』
というのは三途の川の描写。
おそらく『君』も一度三途の川を渡りかけたけれど
なんとか生き延びられ、
向こう岸へと帰っていったのだろう。
なので、
『君』はなんとか生き延びている。
ただし、
語り手は再会するために
『君』を死後の世界へと連れ込もうとしている。
どんな手段を使ってでも。
なので、
『君』もきっと
近々死んでしまうだろう。