【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】廃ビル

スポンサーリンク

今、自殺名所兼心霊スポットの廃ビルに来ている。

 

俺は某週刊誌の新米記者で、
心霊スポット取材のためにここを訪れることになった。

 

正直な話、怖いのは大の苦手なんだが、
先輩から勧められて断ることが出来なかった。

 

これが終わったら、
もうこの手の取材は二度とやらないと心に誓おう。

 

このビルは8階建てのオフィスビルで、
東側に階段、西側にエレベーター、
それを繋ぐ廊下に同じサイズの部屋が3つ隣接する間取りになっている。

 

デスクなどは一切なく
剥がれた壁紙からコンクリートが剥き出しだ。

 

噂によると、
ここで自殺したこの会社の社員が出る……とのことだ。

 

廊下一本しかないこの場所で幽霊になんて出くわしたら、
逃げ場がないじゃないか。

 

出ないことを必死に祈りながら、
懐中電灯片手にゆっくりと歩を進める。

 

まずはエレベーターから調べてみよう。

 

これが動けば、逃げ道が増えるだろうし、
上の階からすぐに一階に降りられる。

 

埃を被ってざらついた上向き三角のボタンを押す。

 

すると、8階が点灯し、
すぐに消えてしまった。

 

やはり動かないか。

 

参ったな。

 

仕方ないので、
階段を昇って2階、3階と各フロアを調べていく。

 

どのフロアも変わらず何もない。

 

あっても不良の落書きくらいか。

 

時折吹き抜ける真冬のすきま風が異様に冷たく感じる。

 

東から西まで各部屋調べ階段を昇る、
という単調な作業を繰り返し、
ようやく7階に着いた。

 

良かった、もうすぐ帰れる……

 

そんな安堵から、
少し気が楽になり足早になる。

そして7階の東側の部屋に入ろうとする。

 

『コツン』

 

俺は鳥肌が立った。

 

足音だ。

 

しかもヒール……警備員のはずがない。

 

『コツン』

 

音は階段から、
少しずつ上がってきている。

 

どうしよう。逃げ場がない。

 

『コツン』

 

考えてる内にも乾いた反響音が
このフロアに近付いてくる。

 

ダメだ、逃げなきゃ。

 

『コツン』

 

慌てて駆け出し、
エレベーターの扉に張り付き下ボタンを連打した。

 

「ポーン」という電子音がし、扉が開いた。

 

 

俺はエレベーターの扉の中に転がり込んだ。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレベーターは壊れており、

エレベーターは8階にあった。

 

扉が開いても

そこにはエレベーターはなく、

7階から落ちてしまった。

 

 

7階から落ちたのであれば

きっと即死してしまっただろう。

 

それにしても

こんな取材を一人でやるとか

ほんと勘弁して欲しいものである。