私には好きな人がいる。
でも、その人には彼女がいるの。
嫌だけど嫌われたくないから
彼のノロケを毎日聞いている。
ある日、彼が学校に来なかったの。
何回電話してもメールしても返事なし。
心配になって学校をサボって彼の家に行ったの。
持っていた合鍵で家に入ったの。
すると、座り込んでる彼を見つけた。
「どうしたの?」
私が声をかけるとすごく怯えた彼がいた。
「あ…。か、のじょ、が……」
彼女?そういえば同棲してるっていってたっけ?
彼が指差す方を見ると、
血だらけでぐったりしている人がいた。
「うう…、何でこんな目にいいいい…」
彼は泣きじゃくりながら私にしがみついてきた。
「大丈夫…。私がそばにいるから…。
とりあえず、落ち着こう?」
私がそういうと、
彼は一度深呼吸をした。
しばらくしてから、
彼は彼女を見た時の話をした。
どうやら、
学校に行く準備中に気が付いたらしい。
「…ありがとな。
お前が来てくれなかったら俺も死んでたところだ…」
私は、
まだ完全に落ち着いてない彼を抱きしめて
自分の想いを告げてしまった。
今言わないといけない気がしたのだ。
彼は少し黙って、
「考えさせてくれ」
と言った。
それから2週間後、
彼から交際を申し込まれた。
勿論OKした。
それから私たちは
毎日のようにデートをした。
幸せだった。
彼が隣にいる。
それだけで嬉しかった。
でも、彼から急に別れを告げられた。
意味がわからなかった。
彼は何故かすごく怯えているように見えた。
数日後、私の家に2人組の男が訪ねてきた。
刹那、私はすべてを悟った。
後日、私はニュースに取り上げられた。
【解説】
なぜ語り手は彼の合鍵を持っていたのか?
それは語り手は
彼のストーカーだったから。
彼は語り手に
住所を教えていたのだろうか?
語り手は彼の彼女を奪い取ろうと
彼女を殺し、語り手を優しく慰めて付き合った。
しかし、彼が犯行に気付き、
語り手のことが怖くなって通報され、
語り手の家に来た警察二人によって
語り手は逮捕された。
人を殺していながら普通に接することができる
語り手のような人は本当に恐ろしい…