我が輩は猫である。
名前はまだない―――
現在63歳。
身寄りのないただの老いぼれ。
そんな私の日課は本を読むこと。
私は夏目漱石の我が輩は猫であるが好きだ。
もう何度読んだかわからない。
私は本が好きだ。
私は本の続きを読み始めた。
3時17分。
もうこんな時間か。
寝よう。
私は8時過ぎに起きた。
服を着替え、
夏目漱石の我が輩は猫であるを買いに行った。
私は帰ってすぐに読んだ。
2時26分。
もうこんな時間か。
寝よう。
私は7時過ぎに起きた。
ついこないだ子供が独り立ちをしたので、
少し淋しかった。
何もすることがないので本を読み始めた。
11時18分。
そろそろ寝よう。
私は9時に起きた。
今日は休日だ。
今日の朝は家族とご飯だ。
妻の手料理はやはり美味しい。
妻は買い物へ、子供は部活へ行った。
私はのんびりと、本を読み始めた。
本は中々面白い。
好きになりそうだ。
【解説】
身寄りのないはずのただの老いぼれだったはずなのに、
後々子供が独り立ちをし、
さらに後では子供が部活に行っている。
つまり、時間を遡っている。
時間を遡っているのに平然としているのは
ボケてしまったからなのだろうか?
でも、時間を遡ったことに気付くよりも
時間が遡っても気づかないくらいの方が幸せかもしれない。