ある夜、私は友人と二人でとある廃墟に行った。
噂では出ると聞いていた。
確かに夜だし、雰囲気的には怖いが、
ガラクタばかりで結局何もなかった。
「結局何もなかったねーっ」
「だね。もう遅いから、今からあたしの家行く?」
「そうするよ」
「よしっ、アンタの家に行こっ。久々に恋ばなも聞きたいし」
「いやあれはー…」
そういった話をしながら、
私達は車に乗って廃墟をあとにした。
【解説】
『そうするよ』は
二人の言葉ではなく、幽霊の言葉。
友人だけでなく、
幽霊まで家に来ることになった。
夜に二人で廃墟に行くのがすごいと思うのは、
ビビリだからなんだろうなぁ。
夜中にそんなところは
絶対に近寄りたくない。