ふと突然夜中にトイレがしたくなってさ、
トイレに行ったのよ。
そしたらトイレの窓から何かが覗いてんの。
何かっていうか人の顔?
みたいなのが窓の外に見えてさ、
本当に怖かった。
だから俺一階のトイレでするの諦めて
二階のトイレに行ったのよ。
そしたら二階のトイレにも
窓から顔が見えてもうほんとびっくり。
結局しばらくの間トイレに行けなかったね。
でもなぜか段々、
このままやられっ放しだとむかつくなって思ってきたんだよね。
怖すぎて逆の発想になっちゃったのか
トイレが我慢出来なかったのか
だから俺夜中にパジャマ姿とサンダルで外に出たのよ。
トイレの窓の外にいる幽霊の正体確かめてやるってね。
そしていざ出たらそれがなんとも笑える話でさ、
なんか近所に住んでる俺の友人が、
俺の家のトイレの窓の前に居るんだよ。
こんな夜中になんでお前そんなとこに居るのって聞いたら
そいつどうやら俺を怖がらせたかったみたいで
さっき見えた窓の外の顔はそいつだったっていうなんとも馬鹿な話。
笑っちゃうだろ?
夜中に1人で何してるんだって感じだよな、ほんと。
【解説】
1階を覗いていたのは友人だが、
さすがに2階を覗くことはできない。
つまり、2階を覗いていたのは
幽霊とかそういう類のものであった。
でも、この友人はほんと1人で何しているんだか…。
語り手が必ずトイレに行くとも限らないのに
トイレの窓で待ち伏せしていた
この友人の行動の方が個人的には恐ろしい。
もしかして、起きてトイレに来るまで
毎日待っていたのだろうか?