【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】体調が悪い

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昨晩、俺の親父が死んだ。

 

病院嫌いの親父は、
体調が悪いのを隠していたようだ。

 

今思えば、
昨日は朝から顔色が悪かった。

 

咳もしていたっけ。

 

ただの風邪だと高を括っていたのが間違いだった。

 

急に鼻血を出して倒れた時は正直かなりビビった。

 

ああ、やっぱりちゃんと病院行くように言えばよかった。

 

世界中飛び回っていて滅多に家にいなかったから、
まだまともな親孝行すらしていない。

 

なんて息子不幸な親父だよ…。

 

俺にできる親孝行はもう無いのか?

 

いや、そんな事は無い。

 

まだ母さんがいるし、
親父のやり残した
『世界の発展途上国の人々を、現地に赴いて支援する』
という大きな仕事が残っている。

 

親父の愛したこの二つを俺が受け継げば、
きっと親父も本望だろう。

 

なあ、親父…。

 

俺は親父が仕事先で撮った写真のアルバムのページをめくった。

 

それらには、
どれも十数人の人々が肩を組んで写っており、その真ん中に、
いつも場所と日時の書かれたスケッチブックを持った親父と、
親父の志に共感して集まった肌の色に縛られないチームの姿があった。


最も新しいものはスーダンで撮ったようだ。

 

親父の持っているスケッチブックに
『1976 6月 スーダン ヌザラ』
と書かれている。

 

3日後に、このチームの夏休みが終わり、
メンバーが成田空港に集う予定になっている。

 

その時に親父の訃報と、
俺の気持ちを伝えるんだ。

 

人付き合いは得意な方では無いが、
きっと大丈夫だろう。

 

なにせ親父のチームメイトだもんな。

 

俺がアルバムを閉じるのと同時に、
母の呼ぶ声が聞こえた。

 

そうだ、一番に報告しなきゃいけない人を忘れていた。

 

俺は強い決意を胸に宿し、
静かに一歩を踏み出した。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親父はエボラウイルスを輸入してしまった。

 

エボラウイルスは空気感染しないようだが、

時期的に蚊によって感染してしまうだろう。

 

そして、エボラウイルスに感染してしまったのは親父だけではなく、

同じ場所に行ったいろいろな国の人たちも

母国にエボラウイルスを持ち帰った可能性がある。

 

親父は既に発症し、亡くなってしまったため、

彼らもすでに亡くなり、

そこから世界中で感染、発症を繰り返すかもしれない。