私は交通事故でしんだ。
横断歩道を渡る時、
右側から信号無視をしたトラックと激突。
その日は陸上競技大会の日。
スパイクを取ろうと頑張った。
お母さんに買ってもらった大切なスパイク。
けれど手は届かなかった。
皆の悲鳴、クラクションの音、救急車のサイレン、
携帯のシャッターの音。
意識はそこで途切れた。
私は足を切断した。
そうせざるを得ない怪我だった。
そんな生活にうんざりした私は、
屋上から飛び降りた。
もがいた、もがいてもがいて
手だけで柵を乗り越えた。
落ちながら思った。
足が欲しい。
次に意識が戻ったのは空に浮いているとき。
皆が私の写真を見ながら泣いている。
「あっ!!足を探そう」
それから私は手だけで歩いて足を探した。
【解説】
下半身が欠損した亡霊「テケテケ」の話。
テケテケは踏切で列車に轢かれ
上半身と下半身が真っ二つになったものの、
冬の寒さで血管が凍って止血され、
なかなか死ねずに、助けを求めても助けてもらえず、
その恨みで亡霊化した。
そんな話。
なので、この話は
てけてけ本来の話ではないと思うけれど、
別バージョンもあったのだろうか?