1人の女の子がいじめられていた。
私は比較的無関係だった。
女の子はとうとう不登校に。
数日後、彼女を見かけた。
マンホールの上で不自然に跳ねている。
「きゅーうきゅーうきゅーう」
よく分からないが
呪文のように呟いていた。
私は話かけてみた。
しかし彼女は無反応。
苛立った私は彼女を押し退けて
同じことをした。
彼女は物凄い勢いで
マンホールのふたの部分をどけた。
彼女はまた跳ねだした。
「じゅーうじゅーうじゅーう」
【解説】
語り手が女の子と同じことをした。
つまり、マンホールの上で跳ねていた。
マンホールの上で跳ねている最中に
マンホールのふたをどけたら…
語り手はマンホールの穴に落ちていってしまった。
なので、
『きゅーうきゅーうきゅーう』
は9であり、
『じゅーうじゅーうじゅーう』
は10。
つまり、マンホールから落としたのは
語り手で10人目となる。
この女の子、
ジャンプしている間に
ものすごい勢いでマンホールのふたをどかせるとか
どんだけ腕力があるのだろう？
それだけ腕力があれば
いじめられなそうであるが…
あと、女の子と同じように
マンホールの上でジャンプする人が
10人もいたということか？
そのことにも驚きである。
