俺にも好きな娘が出来た!
目は真ん丸で、
透き通るような白い肌!
顔なんて
ソフトボール並みに
ちっちゃいんだぜ(笑)
性格はおっとりしてるようで、
意外としっかり者!
そんな彼女に何度も想いを伝えた。
返事は...いつもNO...
自分の誠意が足りないのかと
花を贈ってみた!
......ダメだった。
ぬいぐるみを贈ってみた!
......ダメだった。
何が好きなんだろう。
彼女が好きなものを調べてみた。
ふと、昼食には
ピーナッツバターと書かれたパンを食べている姿を見た。
次の日も、また次の日も。
そんなに好きなんだなぁ。
そう言えば、
初めて彼女と合コンで知り合ったときも
バケットにピーナッツバター塗って頬張ってたなぁ。
俺、食えないんだよ、
ってのが話すきっかけだったんだけど。
っそうだ!!
これを贈ってみよう!
純度の高い、ちょっと高級なやつ!
彼女、喜んでくれるかな~
注文してたピーナッツバターが届いた!
早速ラッピングして彼女の元へ。
渡した瞬間、
少しだけど笑顔見せてくれたなぁ♪
「返事は二日後にします」
そう言ってくれた彼女と今、
駅で待ち合わせ中!
彼女が小走りでやって来た!
やっぱりかわいいなぁ
っておい!!
いきなりちゅーかよ!!
ほんのりピーナッツバターの香りがする。
あれ、食べてくれたんた!
と、少々ニヤケ顔の俺に彼女が
「これが答えだよ」
【解説】
これは青春ラブストーリー、ではなく
殺人事件。
語り手は彼女に近づこうと必死になったあまり、
ストーカーと化していった。
語り手のしつこさに恐怖を覚えた彼女は、
「いなくなってほしい」と
切に願うようになった。
そこで、彼女は合コンのときの出来事を思い出し、
アレルギーを使って何かできないかを考え始めた。
そこでタイミングよく
男が渡してきたのがピーナッツバター。
二日間の猶予をもらい、
策を練っていた彼女は
ピーナッツによる
アナフィラキシーショックについて知ることになる。
「死ななくても、もがき苦しんでくれれば・・・」
と考え、彼女は実行した。
ピーナッツアレルギーを持つ男にとって
効果は絶大だった。
男は死に至った、
もしくはもがき苦しんだ。
彼女の答えは
「死んでほしい」
ということだった。
もし、これで生きていたとしたら・・・
「いきなりちゅーしてくれたんだから!」
とさらに面倒な付きまといが始まりそうである。