彼女とショッピングで街を歩いていたら、
前から小さな女の子の手を引いた女性が歩いて来た。
近づいてきてそれが誰だか気づいた…
俺が3年前まで付き合っていた女だ。
そして今思えば酷い振り方をして別れた。
元カノは俺にニッコリ微笑んで会釈してきたので彼女が
『誰?』と険しそうな顔をする。
俺はとっさに
『前ウチの会社にいた○○さんだよ、
いやあ久しぶりだねえ』
彼女は
『そうなんですか、こんにちは』
と言って気を利かせたのか、
『ちょっとあそこの洋服見てくるね』
と言ってその場を離れた。
俺『やあ、久しぶりだね、結婚したんだ…』
元カノ『ええ、貴方に振られちゃってから。
でも半年前にね、
こんな私でも良いって言ってくれる人がいたのよ』
俺『こんな私なんて言うなよ…
君は十分魅力的だし…俺が未熟だっただけで』
元カノ『もうそんなコト言わないで、
でもこんな私が結婚出来るなんて本当に思ってなかったのよ』
俺『そう?あ、いや…ゴメン、子供の前でこんな話しちゃって』
元カノ『いいのよ、でも可愛いでしょ?
だから私とーっても幸せなの』
俺『ああ、そうだね、
今の君は本当に幸せそうだ…安心したよ』
元カノ『本当にそう思う?』
元カノ(今は人妻だけど)はそういうと、
フフフと微笑んで小さな声で
『じゃまたね』と言って去っていった。
彼女が戻ってきて
『綺麗な人ね…ひょっとして昔好きだったとか?』
と言って俺を試す様な目で見た。
『なに馬鹿なコト言ってんの』
と俺は冷静にそう言って彼女の手を握った。
【解説】
子供はもう歩けるような年齢なので、
半年前んい結婚した旦那との子供ではない。
おそらくは語り手と元カノの子供。
『じゃまたね』
と言っているため、
ここから復縁からのドロドロな三角関係か、
養育費請求で再度会うか…
なんにせよ、
語り手にとってこれから大変な日々となりそうである。