【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】生け贄文化があった地域

スポンサーリンク

何の取り柄もない、
強いて挙げるとすれば
一面に田んぼや山の緑が広がっているだけの静かな片田舎。

 

山に囲まれたその村に男は来た。

 

そこは全く昔ながらという言葉が似合う村で、
そこらかしこで嫗達が田植えやら何やらを人力でこなしている。

 

錆びた看板が目を引く、
塗装が所々剥げた汚いベンチのあるバス停。

 

そこに宛ら屋根の様に立つ大きな広葉樹。

 

村へ向かう2、3時間に一本のバスから降りた男は
その木の木陰に入ると、
鞄から一枚のメモを取り出した。

 

メモには何やら地図の様な線が描かれている。

 

もともと地域の文化を調査していた男は、
ある時、その村にあったとされる生け贄文化に甚く興味を引かれた。

 

それを繙く為に足を運んだのだ。

 

暫く地図を見た後、
示されていた場所へ向かう。

 

炎天下、いまいち整備のされない道をひたすら進む。

 

家はほとんどない。

 

やっとたどり着いたそこは、
たまに見かけた村のどの家よりも大きく、
玄関の扉に手を掛ける事すら若干躊躇させた。

 

躊躇う男に後ろから一人の嫗が声を掛ける。

 

服には所々泥が付いており、
仕事上がりである事を用意に想像させた。

 

「ええと、ご主人は」

 

弱々しく何かに怯える様に男は聞いた。

 

「…じいさんは、山にいる」

 

何故か嫗の顔は暗くなった。

 

男はそんな事を気にも止めず、
主人が居ると言う山小屋への道を聞いた。

 

一礼して去る男を、
嫗はただ何か物言いたげな顔で見ていた。

 

山小屋までの道は長い。

 

何より太陽が体力や、気力を削いだ。

 

何とか日を防げる山道に入るが、
それこそ完全に整備のされない凸凹な地面は、
普段あまり運動しない男を苦しめた。

 

然し、
ゆっくりと男は山の奥、
山小屋へ近づいていた。

 

やっと見えた山小屋によろよろと歩み寄る。

 

全て木で丁寧に作られている小屋の唯一ある扉に手を掛けた男は
生臭い様な変な匂いを嗅ぎとる。

 

再び、
扉に触れる事を躊躇ったが、
今回は潔くすぐに開く。

 

開けた瞬間に外で嗅いだ時以上の異臭が襲う。

 

堪らず噎せる男は
薄暗い部屋に一人の翁が居る事に気付く。

 

翁は泣きながら肉を食べている。

 

噎せる男に労いの言葉でもかければ良いものを、
翁はただただ泣き、咽びながら肉を食べていた。

 

何とか匂いに堪えうるだけ慣れた男は、
扉を閉め、翁に近づいた。

 

翌日も翁は変わらず、
泣き、咽びながら肉を食べる。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生け贄文化はまだ残っており、

生け贄を捧ぐ対象は翁だった。

 

生け贄となったのは村人なのかどうかはわからないが、

その生け贄となった人を泣く泣く食している。

 

翁に会いに来た男は知らず知らずのうちに

生け贄となっていた。

 

地図を渡した何者かが

生け贄にしようと思ったのだろう。

 

その結果、

生け贄として食べられてしまった。

 

 

知らず知らず、生け贄となってしまったのも怖いが、

翁が生け贄を食べなければいけないというのも恐ろしい。

 

泣きながら食べているということは

人の心を持ったまま食べているのだろう。

 

人肉もまずくて仕方ないのかもしれない。

 

それでも、

生け贄を食べなければいけないのは

まさに地獄とも言えるだろう。

 

生け贄となった男としても

翁としても生け贄文化は恐ろしいものである。