授業中、
僕はぼんやり外の景色を眺めるのが好きだった。
帰ったら何して遊ぼうかとか、
どこか遠くに行きたいとか、
いろんなことを思いながら、
窓の外ばかり見てた。
午後の授業なんかだと、
ついつい寝ちゃうこともある。
隣の女子校で体育をやってたりすると、
それはもう大変。
何も考えられずに
食い入るように見ちゃう。
はちきれそうな太もも、
のびやかな肢体、
見てるだけで鼓動が高鳴った。
あのコがいいとかこのコもいいとか、
もう授業中だってことなんか
完全に忘れてずっと見てた。
楽しかった。
でもそんなことしてると、
いつも必ず邪魔が入るんだ。
「先生、授業してください」
【解説】
そりゃ、先生が授業もせずに、
外の景色を眺めていたら
『先生、授業してください』
なんて邪魔が入ってしまうのも無理はない。
『でもそんなことしてると、
いつも必ず邪魔が入るんだ』
なんて言っていることから、
毎回のように行っているのだろう。
そんなに何度もやっているのに
反省の色もなく、
むしろ『邪魔』と言っているこの語り手が恐ろしい。