【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】とある養老院にて

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私は大手新聞社に勤めている。

 

国民に与える情報を集める言わばマスコミだ。

 

そんな私にある情報が耳に入った。

 

素晴らしい養老院があるらしい。

 

満足度は100%らしい。

 

早速私は聞き込みに行った。

 

すると院長は笑顔で私を迎えた。

 

早速挨拶抜きで質問をした。

 

その養老院は何故満足度が100%なのか。

 

施設の裏側を見せろ、等だ。

 

しかし院長は答えてくれない。

 

だから私はいささか無茶な理由ながら
警察を呼んで調査させるぞと脅した所、
やっと院長は口を開いた。

 

院長「この施設は老人の脳だけを保存して体は廃棄しました。
何故なら体は必要無いからです。
まず、そのお客様に老後どうやって過ごしたいかをお聞きます。
そこで例えば、孫や家族とゆっくり美味しいものを食べたいと言ったとします。
すると私達はお客様の脳を保存液に漬け、そこに仮想チップを埋め込みます。
すると、そのお客様は家族でゆっくり美味しいものを食べるという一種の幻覚を体感できるのです。
脳を騙すので、五感は全て本人にとっては正常かそれ以上に感じるはずです」

 

そして院長は倉庫に私を連れて行き、
広い倉庫の電気をつけた。

 

そこには1000~2000個程の大量の脳が
灰色の保存液に浸かってそれぞれのケースに収められていた。

 

私「これは酷い!人権問題だ!」

 

院長「しかしですな、本人達は満足してるのですよ。
しかも脳だけなので寿命も長くなります。
たしかに、現実と比べれば、液のせいで視界が灰色がかったり、
窮屈に感じたり動きにくい事もあるかもしれませんが、
それは現実でも同じでしょう」

 

しかし私は怒りがおさまらなかった。

 

私「このことを世間にバラしてやる。どうだ?」

 

院長「どうぞ、お気が済むならご自由にどうぞ」

 

私は院長の落ち着きを不信に思った。

 

急いで車に乗ろうとしたが、
その時にふと、私は思った。

 

何故か最近動きにくいなあ。

 

しかも何だか周りが薄く灰色に見えるが…

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語り手はすでに脳しかない状態。

 

だから、

『大手新聞社に勤めている』

なんていうのも、

現実のことではない。

 

仮想の世界を楽しむ、

それは果たして幸せなことなのだろうか?

とも思ったりするが、

それを現実だと思っているのであれば、

それは幸せなのだろう。

 

 

脳だけの状態になってまで生きたくないなぁ、

とか思ったりするけれど、

脳でイメージしたことが現実かのように感じられるのであれば、

その状態を受け入れるのかもしれないなぁ、

とか思ったり。