【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】優しさ

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ある冬の寒い日、
コンビニの前に一人の老婆が座っていた。

 

通りがかりの男は心配になり声をかけた。

 

『もしもし、大丈夫ですか?』

 

老婆はゆっくり顔をあげ、
静かに『お構いなく』とだけ言うと、
丸まるように膝を抱えこんだ。

 

よく見ると小刻みに震えている。

 

放っておく事もできず、
男は再び声をかけた。

 

『お住まいはどちらですか?
ご家族に連絡しましょうか?』

 

すると老婆は俯いたまま、
消え入りそうな声でこう言った。

 

『家も家族もないよ。。
食べ物も、それを買うお金だってない』

 

それを聞いて可哀想に思った男は、

 

『お店にあるパンをお一つどうぞ。
それから温かい飲み物もね。
なんでも好きなものを選んでください』

 

と言った。

 

老婆は顔をあげ、
男の優しさに涙を流した。

 

パンをゆっくり食べ始めた老婆を見て、
男は満足そうにその場を立ち去った。

 

これであの人も屋根のある暮らしができるだろう。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男は店員を装って

老婆に万引きさせた。

 

 

初犯だろうから、

刑務所には入らないだろうが、

留置場には入るかもしれない。

 

『これであの人も屋根のある暮らしができるだろう』

というのはそういうことだろう。

 

 

男としては良いことをしたと思っていそうだが、

老婆が「万引きをしてしまった…」という心の傷は

一生消えないものとなってしまう…。