【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】丁字路

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近くの丁字路で、
お祓いがされることになった。

 

なんでも、
心霊番組で放送されたこの場所を高尚な霊媒師が聞き付けたらしく、
危険と考えて除霊してくれるらしい。

 

この丁字路は昔から不思議なことが頻繁に起こる。

 

よく聞かれるのは、
点きっぱなしの街灯と幽霊の映る反射鏡。

 

前者は、街灯の明かりは
見る人間の寿命とシンクロしていると言う。

 

数年前にこの丁字路で事故に遭い亡くなった友人も、
事故直前に街灯が明滅していると話していた。

 

あの時あいつの傍にいながら守れなかったのが、
今でも悔しい……

 

後者は見えるというだけで、
特に実害が起こったという話は聞かない。

 

ただその二つを抜きにしても、
あの丁字路は空気が悪いとでも言うのか、
ひったくりや交通事故、通り魔事件などが多発する。

 

今度の除霊でそれが少しでも減ってくれるなら、
近くに住む者としては助かる。

 


除霊式当日。

 

休日の午前11時ということもあってか、
近隣住民、野次馬、オカルト好きな連中なんかが大勢丁字路に集まっていた。

 

上空ではテレビ局の撮影ヘリが飛んでいて、
プロペラ音が非常にうるさい。

 

僕は早めに来たから、
霊媒師に近い位置で除霊を見ることができそうだ。

 

例の街灯は、
昼前なのに相変わらず点きっぱなしだ。

 


午前11時半頃、霊媒師が現れ、
この丁字路の除霊が始まった。

 

うるさくて聞き取り辛かったが、
どうやら霊に説得しているようだった。

 

野次馬で来た者たちは、
特に変化のない除霊方法なため
途中から飽きた素振りを見せる者もいた。

 

20分くらい経っただろうか。

 

霊媒師は大きく息を吐くと、
僕らの方に向き、こう言った。

 

「皆さん、除霊は成功しました。
霊たちは本来あるべき世界に帰ります」

 

それを聞き、近隣住民は皆安堵した。

 

よかった、これでこの丁字路も平和に……

 


僕は、急に静かになったことと
街灯が消えていることに気付いた。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『街灯の明かりは
見る人間の寿命とシンクロしていると言う』

とのことなので、最後に

『僕は、急に静かになったことと
街灯が消えていることに気付いた』

と書かれているということは、

語り手はこの後死んでしまうということ。

 

この丁字路では

怪奇現象は起きているものの被害はない。

 

にも関わらず、

霊媒師は勝手に危険と判断して

除霊を行おうとした。

 

 

その結果、霊を怒らせてしまい、

霊は丁字路上空で撮影をしていたテレビ局のヘリコプターを墜落させ、

語り手達は死んでしまった。

 

 

霊媒師は人気を得るためだったのかよくわからないが、

霊を怒らせた結果、悲惨なことに…。

 

でも、

『幽霊の映る反射鏡』

の時点で個人的は心臓止まりそうなほどびっくりするから、

かなりの害だと感じてしまうのだが…。