家に帰って一息つく。
今日も疲れたな…と誰にともなく呟いた。
今日は学校も早く終わったし地下室で本でも読もうか。
私は地下室への階段を下った。
地下室は一つある窓から外からの光が来るから結構明るい。
だから暗くなったらすぐにわかるし涼しいし
読書するのに最適な場所なんだ。
今夜は家に私一人だし
暗くなる前にきちんと夕飯の準備をしないとなぁ。
一冊読み終えて顔をあげると窓の外はすでに真っ暗。
読みふけってしまっていたらしい。
私は慌てて立ち上がり電気を消して地下室を出た。
【解説】
昼間から明るい環境で読書をしており、
『暗くなったらすぐにわかるし』
と言っていることからも、電気をつけて読書をしていないはず。
にもかかわらず、
『私は慌てて立ち上がり電気を消して地下室を出た』
と電気を消している。
電気をつけたのは一体何者なのだろうか?
幽霊であれば気を利かせてくれたのだろうけど
(いや、むしろ夕飯の準備を遅れさせる悪戯?)
人であれば何の目的でやったのかがわからず、恐ろしい…。