私はずっと泣きたかった。皆に歪んだ認識を植えつけられて。
はさみで髪を切られたり、皮膚を切られたり。こんな苦しいのはずっと嫌だった。
殺されるかと思ったこともたくさんあった。水に顔を押し込まれたり。火を身体に押し付けられたり。
さらには当然のように教科書を切り刻まれていたり。学校は勉強する場所なのに。学校に来るなってことだよね。
“れいあんぽう”だって言って真冬に冷たい水で濡らされた布でくるまれたりしたこともあった。
たくさんたくさんとうてい数えきれないほど酷いことをされた。誰も助けてくれなかった。
あの人たちへの復讐はどうしようかずっと考えてた。
のどや身体の大切な場所を殴るか切るかして私の苦しみを少しでもわかってもらおうかとか思ったりもした。
子供だからって限度があるよね。もう耐えられないよ。
たぶんこの手紙があなた方のもとに届く頃には私はもういないでしょう。
ちょっとでもいいから学校で優しくされたかったです。あなたがたはいつも見て見ぬふりだった。
にが笑いしながら私の悩みを聞いてくれるだけでもよかったのに。それだけでも私は生きる気力を取り戻せた。
ごめんなさい。さようなら。
【解説】
いじめられていた女の子の遺書。
『あなたがたはいつも見て見ぬふりだった』
とあるから、先生に宛てて書いたのだろう。
段落の最初の文字を縦読みしていくと
「私は殺された あの子たちに」
となる。
恨みつらみのある遺書だなぁ…。
どんだけ苦しかったことか…。