最近カーナビを新しくした。
そのカーナビにはとても凄い機能がついていて、
店はもちろん人の居場所まで黄色い点で表示される。
カーナビを新しくしてからしばらく経ったある日、
一人で彼女を家まで送って家に帰る途中のことである。
ふとカーナビを見ると黄色い点が2つ表示されていた。
そう言えば最近視線を感じるし、
歩いていると後ろに誰かいる気がしていたので
幽霊だと思い怖くなってアクセルを踏みしめた。
前にいた車に思い切り突っ込んでしまい、
大事故になった。
幸い軽い怪我ですんだが、
前の車に乗っていた人達が病院に運ばれた。
事故の次の日、
ニュースで事故が取り上げられていた。
『昨夜11時、〇〇道路で衝突事故がありました。
車に乗っていた20代男性と30代の夫婦は無事でしたが、
歩行者とみられる20代女性は死亡しました。
警察は男性が女性をはねてしまい、
あわてて前の車に衝突したものとみて捜査しています』
暫くしてから、
俺は警察に連れていかれた。
【解説】
『ふとカーナビを見ると黄色い点が2つ表示されていた』
この黄色い点は語り手と何者かのもの。
この黄色い点は家まで送った彼女を
車に引きずっていたことがわかるもの。
だから語り手は誰もはねていないはずなのに、
警察が女性をはねたとみて操作をしていた。
車にひっかかって引きずられたという話はよく聞くけど、
実際に引きずられる恐怖というのは恐ろしいものだろう…。