お父さんがいなくなった。
5人家族、いつも一緒にいたのに。
すぐにお兄ちゃんもいなくなった。
隣でお姉ちゃんは怪我をしたみたい。
痛いのかな?
涙を流してる。。
そんなお姉ちゃんもいなくなっちゃった。
ママと赤ちゃんはいなくならないでほしいな。。
あ、なんかママと赤ちゃんがいっぱい増えたね。
みんなユラユラ揺れてる。
赤いドレス着て、
みんな踊ってるみたいだね。
ふふ、こないだ幼稚園でやったお遊戯会みたい。
あれ?
もう終わり?
暗くなっちゃった。。
もう何もみえないよ。
ねえおじちゃん、おうちに帰りたいよ。
【解説】
語り手はおじちゃんに指を一本ずつ切り落とされている。
お父さん→親指
ママ→人差し指
お兄ちゃん→中指
お姉ちゃん→薬指
赤ちゃん→小指
人差し指と小指が残ったあたりで意識が朦朧とし、
幾重にもなって見えたために増えたように見えた。
すでに切り落とされた指からの出血で
残った指も真っ赤に染まっていく。
最後は意識が遠のき、
真っ暗になってしまった。
想像するとゾッとする残酷なお話。
泣きも騒ぎもしない語り手というのもまた…。