今日も授業をサボって
屋上から下の大きな桜の木を見ていると、
急に頭が痛くなり、
ひとつ下の階の保健室の窓際のベッドで寝させてもらった。
すると、窓から優しげな同い年くらいの少年が覗いていた。
彼はどうしたの?と、聞いてきたが、
ちょっと頭が痛いだけだからと言うと、
そっか、お大事に、
と言って走っていってしまった。
よく考えると、
彼はうちの学校では見かけない顔だった。
だから、
僕は保健室の窓から抜け出し
彼を追いかけていった。
【解説】
『屋上から下の大きな桜の木を見ていると』
屋上から大きな桜を見下ろせるくらいなので、
それくらい高いところにいる。
そして、語り手寝ていたのは
『ひとつ下の階の保健室の窓際のベッドで寝させてもらった』
と、『ひとつ下の階』である、
にもかかわらず、窓に人がいる。
果たして、人間なのだろうか?
『僕は保健室の窓から抜け出し
彼を追いかけていった』
とあることから、
語りては窓から転落して死んでしまい、
そのまま幽霊として追いかけているのかもしれない。