【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】溺愛

スポンサーリンク

夫婦はそっと、眠っている愛娘の顔を覗き込んだ。

 

「本当に可愛いよなぁ」

 

「ねぇ、天使みたいよね」

 

「今でも充分かわいらしいけど、
これからどんどんキレイになるんだろうなぁ」

 

「そうよねぇ。
…白い肌、か細い手足…。
将来の美貌は約束されてるわよねぇ」

 

「なんだよ、
もうこの子が嫁に行く時のことでも考えてるのかよ」

 

「うふふ、何よあなた、怖いの?」

 

「冗談じゃないよ。こんな可愛い子だぞ。
そんじょそこらの男にやれるもんか」

 

「まったく、あなたったら。
この子だっていつまでも箱入り娘じゃいられないのよ?
馬鹿ねぇ」

 

幸福な夫婦はニッコリと顔を見合わせて、
そっと蓋を閉めた。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眠っている愛娘は

『…白い肌、か細い手足…』

で、すでに白骨化している。

 

しかし、娘を失った夫婦はその死を受け止められず、

「この子は生きている」

と思い込んで未来を夢見ている。

 

そんな夢を見て幸せを感じているから

『幸福な夫婦』である。