ある日僕は、胡散臭い占い師の老人から、
死ぬ直前の顔が見えるという眼鏡を無理矢理買わされた。
最初はくだらねぇと思って使わなかったんだけど、
ある日いきなり使いたい衝動に駆られて、
その眼鏡をかけて出かけてみようって気になったんだ。
身支度を済まして、
外に出てから眼鏡をつけてみた。
すると、
『おおっ…、すげぇ』
と声に出してしまうほどすごかった。
老けた顔や、血だらけの顔。
色んな顔があった。
興奮して家に帰り、
自分の死ぬ直前の顔が気になった。
ちょっと怖いけど、好奇心の方が強く、
鏡の前に立ち、眼鏡をかけてみた。
すると今の顔と全く変わらない。
『ちっ…、つまんねーの』
翌日僕は眠るように死んだ。
【解説】
死ぬ直前の顔が見えるという眼鏡をかけたのに
今の顔と全く変わらず、
結果的に翌日に死んでしまった。
今と変わらない顔とはいえ、
翌日に死んでしまうとは…
呪われた眼鏡だったのだろうか?