彼女と別れた。
他にもっと好きな子が出来たから。
彼女には泣いてすがられたが、
気持ちは決まっていた。
別れを告げた翌日、
彼女が家にやってきた。
「借りてたものと、これ!
欲しいって言ってたでしょ?
餞別に受け取ってね」
ちょっと大きめの段ボールは、
見た目よりも重かった。
「そんなのいいのに...」
俺は返そうとしたが、
彼女は荷物を置いてそそくさと帰ってしまった。
「そうだ!メグミに電話しなきゃいけなかったんだ!」
?
繋がらないなぁ...
もう一度かけ直す。
やっぱり繋がらない。
あれ?
どっかでバイブの音がしてる。
俺はメグミに電話をかけ続けながら音の出所を探す。
俺は見つけてしまった。
そこから鳴るなんておかしい...
中を見ると、
見たことのある顔とケータイ電話が、
俺の名前を表示し鳴り続けていた。
【解説】
彼女よりも
メグミのことを好きになってしまった語り手。
そして、
そのメグミに嫉妬した元カノ。
その元カノが選んだ行動は
メグミを殺し、ダンボールに詰めることだった。
彼女は今はもう語り手にそこまで執着していないように見える。
「これから新たな人生が始まる!」
とか、爽やかに思っているのだろうか…?