ピピピピッ、ピピピピッ…
…ん?今何時だ…
「ハッ!?」
ヤバい!
ヤバい!
ヤバい!
気がつくと、出社時間まで後30分もない。
俺はベッドから慌てて飛び起き、
急いで着替えを済ませ、
カバンを引っ掴んで家を後にした。
息を切らし、
フラフラになりながら駅に着いた。
やはり、寝起きのダッシュは辛い…。
お、ちょうど電車が到着するところか。
良かった、間に合った…。
電車が来るのをみて俺はようやく少し安堵した。
この調子ならぎりぎり会社に間に合うだろ。
365日いつもこんな調子だもんな。
まったく嫌になるぜ。
俺はいつものように人が込み合う電車へと、
一歩足を踏み出した。
ピピピピッ、ピピピピッ…
【解説】
語り手は死んだ日を無限ループしている。
だから、
『365日いつもこんな調子だもんな』
と言っている。
電車へ向かう途中でループが始まるので、
人混みの中で誰かに刺された?
死因はわからないが、
死んでからずっとこんな終わりのないループが続くのは恐ろしい…。
「死後の世界は死ぬ直前のループである」
なんてことをどこかで聞いたことがあるけれど、
本当にそんな内容だったら恐ろしい…。