あるところに美人でとても頭のいい女がいた。
女はいつも笑っていた。
はたから見れば辛いときも悲しいときも女は笑っていた。
なんでいつも笑っているのかと聞くと
だって私には会社のみんながついてるもの
と言う。
これを聞いたその会社の人たちは皆嬉しがった。
ある日、女は
いつもより早く帰らなければいけない家の用事があった。
会社も快くそれを了承した。
その日の帰り道、女は撃たれた。
あぁついに撃ってしまった。
けどこの女が俺をふるから悪いんだ!!
ん?
まだ生きてるぞ。
しかも笑ってる…
なんで死ぬ直前に笑ってるんだ?
「だってこの時間ならみんな一緒だもの」
そう言って女は死んだ。
その直後遠くで音がなった。
【解説】
女は自分の心拍数がゼロになると起動する爆弾を作って、
会社に設置しておいた。
誰もいないような深夜に死ぬようなことがなければ、
会社にいる方々と一緒に死ぬことができるから。
女は殺されることは知らなかったけれども、
この日は早く帰ったため、
死ぬのは自分ひとりではなく、
会社の人全員と一緒に死ねることを喜び、笑った。
愛が強すぎる…と言えばいいのだろうか。
自分が死んだら一緒に死んでもらおうという発想が怖すぎる。