俺には優しいおじいちゃんがいた。
おじいちゃんは
俺が幼い頃から将棋を教えてくれて、
いつも2人で将棋を指していた。
だがある日、
そんな幸せな日々は
突然崩れ去るのであった。
おじいちゃんが突然亡くなったのである。
死因は不明だが自殺らしい。
俺はその日は一日中泣いた。
それから一カ月後、
両親が出掛けるので、
俺は一時的におばあちゃんの家に預けられた。
俺「形見として
おじいちゃんの部屋から将棋セット貰っていい?」
おばあちゃん「あぁかまわないよ~」
俺はおじいちゃんの部屋に行った。
だいぶ片付けられているが、
将棋セットはちゃんと置いてあった。
しかし将棋盤には
奇妙な文字が書かれていた。
『3五・6五゛・2一・9一・5二・2四゛・9五 8才』
8才…といえば
俺がおじいちゃんにひらがなを教えてもらった年齢だな…
しばらく考えた後俺は、
こっそり家を出た。
【解説】
『3五・6五゛・2一・9一・5二・2四゛・9五 8才』
はおじちゃんから語り手への暗号メッセージである。
語り手は8才の頃に
おじいちゃんからひらがなを教えてもらっている。
そして、この暗号は
ひらがな表に対応している。
(丁寧に濁点まで点いている)
3五 → そ
6五゛ → ぼ
2一 → か
9一 → ら
5二 → に
2四゛ → げ
9五 → ろ
つまり、
「祖母から逃げろ」
となる。
保険金とか何かしらの目的で
おばあちゃんがおじいちゃんを
自殺に見せかけて殺した?
しかし、語り手は
『俺は一時的におばあちゃんの家に預けられた』
と、特におばあちゃんと一緒に住んでいるわけではない。
こうやって預けられている間に
何かされてしまう可能性があるということなのだろうか…?
語り手はおじいちゃんのメッセージに従い
家から出ることにしたが、
果たしてそれは正しい行動だったのだろうか?
真相はいかに…