2月某日。
今日は久々の休日。
俺は仲良しだった友人を連れて雪山を登った。
Aはラーメン職人、
Bはデザイナー、
Cは大工
等、皆それぞれ色々な仕事に就いていた。
凍えるような寒さの中、
昔話に花を咲かせた。
吹雪が起きていたのも忘れて。
そして…
俺「…あれ?迷ったか?」
C「おいおい!マジかよ!?」
B「とりあえず、
この吹雪の中だから危険だわ!
皆しっかり手を繋いで!」
そう。この吹雪、
隣のやつの顔が見えないほどの強いものだった。
Bに指示され、
皆で手を繋いだ。
A「あそこに小屋あるぞ!
とりあえず入ろう!」
助かった。
こんな偶然あるものなのか。
皆で小屋の中に入る事に。
A「お前らの手、温かいな。
おかげで両手温まったよ。」
C「そうだな。
皆のおかげで凍傷にならずに済んだかも。
すごく温まった。
両手だけだけどね。」
B「確かに温まったわね。
今も熱が残ってる。」
俺「とりあえず…食料はあるか?」
一同「…無いな」
『君!君!大丈夫か!?』
『喋れるか?よく生き延びたな!』
?「えぇ、麺作って生き延びましたから。」
『…?まぁ、いいか。
とにかく一緒に降りよう!』
【解説】
4人で雪山を登ったにも関わらず、
救助に来た人は
『君!君!大丈夫か!?』
と一人に対して話しているようだ。
それに対して
『麺作って生き延びた』
と言っている。
これは聞き取りの問題で
本当は
「メンツ食って生き延びた」
と言っている。
では、生きているのは誰か?
『麺作って』と「麺」とあるから
ラーメン職人のAか?
最初の方の文章を見てみると、
『仲良しだった友人』と過去形になっている。
これだけだったらそこまで気にしないが、
吹雪の時、
『隣のやつの顔が見えないほどの強いものだった』はずなのに
Aは
『あそこに小屋あるぞ!
とりあえず入ろう!』
と言っている。
なぜ隣のやつの顔が見えないほど強い吹雪だったにも関わらず、
Aは小屋があったのが見えたのだろうか?
Aは元々ここに小屋があったのを知っていた、
むしろこの小屋に来るのが目的だったのでは?
『仲良し』が過去形だったのは
すでにこの時は仲良しではなく、
恨みのようなものを持っていて、
この小屋で殺すつもりだったのでは?
そして、たまたま強い吹雪のせいで遭難してしまい、
Aは3人を殺してその死体を食べて生き延びた。
と考えると、
『俺は仲良しだった友人を連れて雪山を登った』
という最初の俺と
会話するときの『俺』は別人ということになる。
結局生き延びたのはラーメン職人だったAということで…
それにしても
雪山を登るのは怖いとしか思わないのだが…
遭難するイメージしか沸かない…